まずは建築家の職能について考えてみます。医師が患者の生命を守るように、弁護士が私たちの基本的人権を擁護するように、建築家とは、私たちの生活と財産を守り、そこにある問題点を発見し、そして解決する方法を設計という行為で還元・昇華してくれる存在です。つまり、建築家は単なる設計士・技術者ではなく、Drの提供したい医療と地域ニーズを結びつけ、価値のある機能的な建築を提案し、Drの言葉を確実に具現化し、問題を解決してくれるコンサルタント的存在です。建築を考える時の選択肢として、設計事務所や建築家に設計を依頼する方法、建設会社に設計施工で依頼する方法など多様な選択肢があります。住宅の場合、各企業の商品としての住宅を購入する訳ですから、ある意味電化製品を買うことと変わりはありません。しかしクリニックや病院の場合、高度なオペレーションや煩雑な動線処理、医療機器や検査の流れ、医師とスタッフそして患者の三者の視点でプランを組み立てていく高度な設計処理能力を必要とするため、デザインセンスを始め、メンタル・オペレーション・フィジカル環境、経営、コスト等多方面への配慮、またクリニックという地域の中で生活者と医療者を繋ぐ媒体としてのランドマーク的存在を現実のものとする作業はプロである建築家に依頼するべきと考えます。 |